本ページはプロモーションが含まれています。
SF

新約カニコウセン 1巻の感想※蟹工船のSFリメイク!ぶっとんだ設定が面白い

新約カニコウセン1巻

プロレタリア文学の傑作、小林多喜二の「蟹工船」をSFリメイクしたのが、新約カニコウセンです。

すべての海が蒸発し、巨大化した水棲生物が 「空流」を泳ぐ世界。

底辺労働者たちは、国家の威信をかけて、巨大なタラバ蟹を身一つで狩る!

それも関節技で!

というトンデモない切り口で描く漫画です。

内容はシリアスですが、蟹を関節技で倒したり、凶悪な巨大生物の説明がおいしい食べ方だったりと、面白要素もある漫画。

過酷な状況で生きる主人公が、目標に向かって上昇できるのかが気になる漫画です。

新約カニコウセン 1巻の基本情報

漫画名新約カニコウセン 1巻
発売日2021/10/29
原作原田重光
作画真じろう
出版社白泉社
掲載誌ヤングアニマル

目次

序幕 新タナル約束
一、此ノ世ノ船底
二、地獄ヘノ船出
三、死ニ場所
四、旧キ約束ノ果テ

新約カニコウセン 1巻の感想

底辺労働者が蟹漁をする世界観

「蟹工船」の世界をSFリメイクしたこの漫画。

蟹工船は、劣悪な労働環境の中、酷使される労働者の反抗を描いたプロレタリア文学の代表作です。

新約カニコウセンは、蟹工船、酷使される労働者というフォーマットはそのままに、設定が大幅に変わっています。

この星では、海は数千年前に蒸発、代わりに入り組んだ地形と激しい寒暖差により生み出された‟空流”が、地表の7割を覆っています。

本来、水に棲んでいた生物は、空を泳ぐようになり、独自の進化をとげ、巨大化していました。

そして、漫画の舞台となる北ワイアット空域では、大極亜帝国とガゼル共和国連邦の間で、漁をめぐる熾烈な争いが起きていました。

その中でも、各国が力を入れていたのが蟹漁です。

貧しい底辺労働者は、金を稼ぎ、人権を得るため、巨大化したタラバ蟹を狩る漁に身を投じます。

タラバ蟹は高級食材、銃や爆弾で傷つけることはゆるされません。

労働者たちは身ひとつで、堅い甲羅をさけ、弱い関節を、関節技を駆使して、狩ります。

漁は過酷。

一歩間違えれば、脚や命を失うものもいます。

序幕から、圧倒的な世界観です。

蟹工船を大胆すぎるリメイク。

過酷さの表現として、蟹を巨大化して、身ひとつで関節技(サブミッション)で倒す!

テコの原理で四の字固めです。

コメディって思うかもしれませんが、これが超シリアス!

圧倒的です。

漁より過酷な蟹工船

巨大蟹漁より過酷なのが、蟹工船です。

空を進む巨大な工船の蟹工船。

蟹を引き上げると、早速、蟹缶をつくるための缶詰作業が待っています。

蟹漁で、指をなくしたものがいても、鎮痛剤が渡され、作業を止めることは許されません。

疲労などから作業ができなくなったものは、捨てられます。

蟹工船を仕切る非道な九条監督

蟹工船(日ノ本カンパニー)を仕切るのが九条監督です。

小さい女子の姿で、ムチを持ち、右足は義足の姿。

蟹工船事業は、大極亜帝国の威信をかけた事業です。

彼女は容赦なく、ノルマをこなせなかった工員を逆さづり、反抗した工員も容赦なく撃ち殺します。

労働者に人権はありません。

彼女いわく、

蟹缶5個
それがこの船でのお前らの命の価値だ

蟹工船という理不尽の象徴が彼女です。

主人公は、孤児院に売られた流伽

主人公は流伽(るか)です。

孤児院で虐げられ、その後、蟹工船に売られた彼。

柊(しゅう)とともに、ここに来た、まさに最底辺の労働者の彼。

劣悪な環境の中でも、生きて蟹工船を降りるという目的のため、彼は屈しません。

序幕で、目標がさらに明確になります。

彼には、ほかの漫画の主人公のような特殊な能力はなく、ただ精神力が強いのみのようです。

蟹工船の小説では、ストライキを起こすなど、体制側に屈しない姿が描かれました。

流伽が中心となり、そういった動きが起きるのでしょうか?

謎の男 悠浬

最後に謎の男 悠浬(ゆうり)が出てきます。

ちなみに浬は、海里の浬、海上の距離の単位、ノットですね。

ほかの蟹工船に乗っていて、最後の最後に流伽と出会います。

流伽と悠浬で、これから何かを起こしそうな予感です。

まとめ:かなりシリアスな設定も、なぜか読みやすく笑える?

あの蟹工船をリメイクした漫画なので、内容はかなりシリアスです。

労働環境も劣悪だし、労働者に人権はありません。

九条監督は、少女のような身なりですが、やっていることは非道。

ただ、ちゃんと流伽は抗うし、仲間っぽい人間も出てきます。

シリアスだけど、1話ごとの終わりが救いようはあるので、読んでも、つらくはなりません。

個人的に、好きなところは、巨大で凶暴な魚などの説明文です。

たとえば、タラバ蟹は、

蟹の王様と呼ばれる
出汁は出ないので焼いたり
蒸したりそのまま食べるのが
一番美味とされる

など、おいしい食べ方の説明。

凶暴な絵と説明がアンマッチですが、そこが良いですね。

新約カニコウセンですが、最初から、ぶっ飛んだ設定をかましてきました。

この勢いがどこまで続くか、楽しみ!

あと、帯に、かまいたち山内健司さんご推薦とありました。

山内さん、目をつけるのが早いですね。

auスマートパスプレミアムでヤングアニマルが読める

auスマートパスプレミアムに加入すれば、新約カニコウセンを連載しているヤングアニマルが読めます。

ヤングアニマルだけでなく、終末のワルキューレ、魔女大戦を連載している月刊コミックゼノン。
警部補ダイマジンが載ってる漫画ゴラク、女の園の星が載ってるフィールヤングも読めますよ!

https://pc-tokyobay.com/ausmartpasspremium/

新約カニコウセン 1巻の試し読み

新約カニコウセン 1巻は、DMMブックスで、無料サンプルで30ページ試し読みができます。
期間限定無料試し読みもあるので、DMMブックスをクリックして、確認してください。

おすすめ記事
  • おすすめの投稿がありません