歴史

漫画「劉邦」11巻の感想※鴻門の会、そして項羽と劉邦の戦いへ

劉邦11巻

漫画「劉邦」11巻では、史実でも有名な鴻門の会から始まります。

項羽をなだめて、無事に帰りたい劉邦と、いずれ脅威となる劉邦を倒しておきたい項羽側の読み合い。

そして、項羽と劉邦の戦いへと進みます。

劉邦11巻の基本情報

漫画名劉邦 11巻
発売日2021/8/30
著者高橋のぼる
出版社小学館
連載ビッグコミック

目次

其之七十六 負之将軍
其之七十七 晴天霹靂
其之七十八 覇王漢王
其之七十九 虎擲竜弩
其之八十  心之贈品
其之八十一 章邯籠城
其之八十二 韓信将棋
其之八十三 張子之龍

劉邦11巻の主な登場人物

重要な人物が多く登場するので、キャラ紹介です。

劉邦

本作の主人公。
項羽率いる楚軍につき、劉邦軍を率い、先に関中入りをする。
項羽よりも先に入り、関中王となりたかったのでは?と疑われ、詫びを入れるため項羽と会うことに。

韓信

国士無双と言われた後の劉邦軍の軍師。
鴻門の会で劉邦を逃がそうと案をめぐらせる。

張良

秦の始皇帝の暗殺を謀るも失敗。
その後、劉邦を助ける優秀な軍師。

項羽

劉邦のライバル。
楚軍の上将軍、武芸に優れるも、人を信じず、憎しみのために生きる。

項羽の愛人(妻)。
劉邦の脅威を感じ、鴻門の会で劉邦を殺そうと考える。

章邯

元・秦の将軍。
項羽に捕らえられ、関中を守ることに。

劉邦11巻の感想

劉邦の11巻は、鴻門の会から始まります。
逃げたい張良、韓信と、劉邦を倒しておきたい項羽の妻「虞美人」。
だまし合いがなかなかです。

鴻門の会が終わると、項羽と劉邦の戦いが始まります。

鴻門の会

項羽に戦う意志がないことを示すため、たった4人で項羽の元に向かった劉邦達。

張良と韓信の詭弁で、先に関中入りしたのは、項羽を待つためという意図を伝える。

最後は、劉邦が謝るだけだったが、

劉邦は、逆に、項羽に。

「項羽、憎しみってヤツは破壊しか生まねぇ。
憎しみを絶って、王になってくれ。

憎しみだけで、中華全土の民を救えるのか、コノヤロー」

と怒り、

項羽の伯父の項梁から、憎しみの負の力ではなく、項羽という刀の鞘になってほしいと頼まれた話をします。

憎しみという負の力で動く項羽に対して、人を信じる力「マスターマインド」で接する劉邦。

韓信や張良は、劉邦の器の大きさに関心します。

ただ、だからこそ虞は、劉邦の始末を考えます。

帰ろうとする劉邦達に、祝宴を用意して、引き留める虞。

虞は、剣舞の最中に劉邦の暗殺をたくらみます。

ただ、劉邦を甘く見た項羽は、それを阻止。

項羽の慢心に劉邦は助けられるのです。

自分の力のみを信じる項羽

秦の都を落とした項羽に、虞はあなたの力を見せつけて!と言います。

項羽は自分の力を見せつけるため、秦の都「咸陽」に入場すると、秦王の子嬰を処刑、皇宮に火をつけます。

そして、全土を18に分け、一緒に戦った武将たちをバラバラにし、王に封じます。

楚の積年の恨みを晴らし、項羽は西楚・覇王と名乗ります。

秦の将軍だった章邯は、関中改め三秦の地の雍王(ようおう)となり、そして、劉邦は、流刑地であった漢に送られます。

項羽は、劉邦の訴えを聞かず、憎しみで支配することしかできませんでした。

旧敵をも惚れさせる劉邦の器

劉邦は、沛に戻ります。

そして、妻の呂雉に会います。

呂雉は、劉邦に成功者の法則「マスターマインド」を教えた人。

呂家のもう一つの家訓として、劉邦に、願うのではなく、もうすでに叶った前提で言霊にして、自分に言い聞かせることを教えます。

劉邦は、この教え通り、旧敵の王陵や雍歯を仲間にします。

オレ一人じゃ勝てない、だがたくさんの仲間が集まってくれる、アンタもだ

負け犬たちが仲間を集めて虎に挑む、負け犬だって集まれば龍になれることを劉邦は信じているのです。

まとめ:孤高の項羽と、負け犬を集めて龍となる劉邦

劉邦11巻は、書きたいことがいっぱいの濃い巻です。

章邯の最後、韓信の戦術、義足の理由、側室となる戚など。

ちなみに中国の将棋、像棋(シャンチー)を作ったのは韓信とされているそうです。

中国の歴史が好きならワクワクする話です。

ただ、圧倒的な個と、負け犬の集まりには弱点もあります。

最後に、その弱点が明らかになります。

次は、劉邦、最大の危機となりそう。

12巻も楽しみです。